詩・音楽・映画

これまで読んだことのない分野の本や、懐かしい音楽や映画に触れる時期。

本は長い文章を読めなくなったので、短さの観点で俳句や短歌、詩を読みたくなった。手に取った「声でたのしむ 美しい日本の詩」は、幅広い時代の作品が収録されていて自分の好きなものを見つけやすい。

まだ読み終わっていないけど、今のところ阪田寛夫「葉月」が響いた。

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懐かしい音楽では有近真澄のライブに行った。90年代後半に彼がやっていたユニットが好きでいろいろ作品を聴き、自分が東京に来てからは数回ライブを観た。

なにぶん好きなものが多すぎるので、なんとなく別のものに興味が向いてしまったんだと思う。でも今年ミュージシャンの訃報が続き、好きで影響を受けたひとが活動しているのは奇跡的なことだと思って、久しぶりに観に行った。

音楽を生で聴くのは厳粛な気持ちになる。空気が震えて楽器や歌声が届く。

有近氏はグラムロックシャンソンの交差点のような人で、その容姿も歌声もステージングもグラマラスだ。小さい会場なので曲の途中で目が合ってしまったりして、そこでどぎまぎするのも懐かしい感覚。

 

そして懐かしい映画はリマスター上映中の私立探偵濱マイクシリーズ「罠 THE TRAP」。

私の故郷はミニシアターがなくて、濱マイクは新聞広告でかっこいいと思っていたけどリアルタイムで観る機会がなかった。だから懐かしいけどはじめて観る。

シリーズ1作目「我が人生最悪の時」は去年国立映画アーカイブで観たので今回のリマスターでは2作目「遥かな時代の階段を」から観た。その時は新宿ピカデリーだったが、映画に出てくる横浜の街並みに次は横浜で観たいと思いシネマ・ジャック&ベティに行く計画を立てていたらタイミングよく永瀬正敏の舞台挨拶が決まった。

濱マイクと永瀬さんの人気、聖地・横浜、客席数の少なさとチケット激戦の要素が大きく、それなりに取るのが大変だった。空席表示をクリックしてもすぐ売り切れに変わったりする。

なんとかチケットを取って映画と舞台挨拶に参加。

映画は人の心の怖さ的な要素が大きくてあまり得意なストーリーではなかったかも。でも恋するマイクの優しい声、白タク星野との友情、味方になる刑事がやけに花言葉に詳しいなど魅力もたくさんある。

舞台挨拶では質疑応答の他に撮影タイムもあり、永瀬さんが客席に向けてポーズを取る贅沢さ。トーク中や客席に向けて手を振っているところの撮影OKは今までもあったけど、動く対象をきれいに撮るのは難しい。だからこそちゃんと撮られる体勢で次々ポーズを変えて向き合ってくれることのすごさ・ありがたさを感じる。

ふだん人間を撮り慣れない私もかっこいい写真をたくさん撮れて、写真とは被写体力だと思った。

サングラスをかけてポーズをとる永瀬さん