資生堂ギャラリー / 資生堂のクリエイティブワーク Series.1「あいだにあるもの - 1970年代の資生堂雑誌広告から」

1970年代の資生堂は雑誌上でひとつのブランドについて数年単位のシリーズ広告を展開した。それらを一挙に見られる展覧会。

当時の広告は写真もコピーも商品を直接説明せず、受け取る側の感受性を信じているみたいだ。

展示の中で最も美しいと思ったのはモアのシリーズ。バニー・ラッツの表情に魅了される。

モアの広告




あとはブラバスのシリーズ。ブラバスは大正9年(1920年)生まれの祖父が使っていて、私が最初に認識した資生堂の化粧品。
祖父はきっちり固めた七三分けで、おしゃれというよりお堅い印象の人だった。
その人が使う化粧品が1970年代にはこんなにフレッシュでユーモラスな広告をするブランドだったことが新鮮。

ブラバスの広告




その他、シフォネットのアバンギャルドなシリーズも楽しい。これは図書館で取り寄せて読んだ「異端の資生堂広告」でもメインで取り上げられていた。

「異端の資生堂広告」は版元品切れで新品での入手は難しく、中古価格は高騰している。他の名作広告系の本もほしくなって調べるとだいたい高くなっていて買えない。

アマゾンPODのように、在庫リスクを持たずに本を出せるシステムが浸透すればほしい本がずっと定価で買えて、著者にも利益が入るのだろうか。

高い古書を買っても著者に利益はないだろうことが、いまひとつ高くてもがんばって買おうと思えない理由だ。